More

    突然の在宅介護一時休止と、救急車

    私の母は、2020年秋に大腸がんと診断され、入退院を繰り返しながら闘病中です。

    母が直近の入院から退院した6月初め、私たち家族にとって初めての在宅介護が始まり、手探りの中で3週間ちょっとが経過しました。

    その母が、先週末入院しました。

    土曜日の早朝、突然激しい悪寒を訴えたのです。

    その場にいた家族で、掛け布団や湯たんぽを追加。「少しして、あったかくなれば大丈夫」と、本人が言うこともあり様子を見ていましたが、良くなる気配は見られず。

    病院へ連絡する前に熱を測ろうとしますが、寒がってかたく縮こまっている母の身体は思うように動かせず、体温計をうまく腋の下にはさみこめません。

    やっと測れた体温は38度。病院へ連絡すると「救急へ連れてきてください」と言われます。

    そうこうしているうちにも母の体調は変化していき、身体の震えや、呼吸に変化が見られたので、救急車を呼びました。

    救急隊が到着した時には、38.8度の熱になっていました。

    やっと退院して帰宅し、家族と一緒にいられるようになったのに。。。

    母は「病院には戻りたくない」「家で過ごしたい」という思いを持っており、

    悪寒を訴え苦しみながらも「病院には連絡しないで」「まだ大丈夫だから」とくり返していました。

    救急車を呼ぶのは、いろんな意味で難しい判断でした。

    でも結局は、(病院に連絡するなと言う)母に隠れて病院へ連絡し、刻々と変わっていく母の状態から、家族で相談して救急車を呼びました。

    救急隊員によって運び出される母を見ながら、母の思いを無視して救急車を呼んでしまったことに対して申し訳なさがこみ上げてきました。

    あのバタバタとした状況では、誰にも聞こえないであろう小さな声で「お母さんごめんね」とつぶやくと、涙がこぼれました。

    救急車には、私が同乗しました。

    救急車に乗ると、母は「救急車人生2回目だ。1回目は(幼い頃の)交通事故の時。」とか「あ~あ、近所の人に見つかっちゃう。」などと、にっこり笑いながら、私に話しかけてきました。

    それはまるで、小さないたずらを見つけられた子どものようで、かわいい笑顔でした。

    さっきまで、本当に苦しそうだったのに。

    あの笑顔とホッとしたような表情は、救急隊員の方が何か処置をしてくださったおかげなのか、それとも母の心理的なものによるものなのか。

    両方かもしれませんね。

    あの時の母を見て「あ~、救急車を呼んで良かったんだ。」と救われる思いでした。

    救急車の中では、救急隊員が母に「氏名や生年月日」などの質問をしていました。

    氏名や生年月日は答えられるものの、今日が何月何日なのか、母は何度聞かれても答えられません。

    「今日が何日か、何曜日か」を忘れてしまうことは私も時々ありますが、「何月か」は答えられます。

    救急隊員は私の目を見て「そういうことですね」と、ささやきました。

    「意識障害が起きている」という意味です。

    他にも母に「あれ、今ここどこ?」と急にたずねられ、「救急車の中だよ。もうすぐ病院着くよ。」と答える場面もありました。

    (この日の午後に母と電話で話した際、母は「気がついたら病院にいた」と言っていました。)

    高熱を出しての搬送だからでしょうか。

    救急車を呼んだ時も、救急隊員が到着した時も、病院でも。コロナについて色々と聞かれました。

    実際に、母が運び込まれた救急患者のための部屋は、上のイメージ写真よりもずっと大きな部屋。ビニル製のカーテンで、それぞれのベッド空間が仕切られていました。

    日本もだいぶアフターコロナの世界に近づいてきている感じがしますが、久しぶりにコロナの存在を強く感じました。

    この日、たまたま救急で母を迎えてくれたのが、母の入院時担当ドクターの1人で、母いわく「イケメン先生」。

    母のお気に入りの先生です。

    救急患者が運ばれる部屋に呼ばれ、ベッドに横たわった母に「娘です」と言って、この「イケメン先生」を紹介されました。自己紹介のあとで「私と母の間では、先生のあだ名は『イケメン先生』です。」と話すなど、和やかな雰囲気でした。

    この時すでに点滴などをしてもらっていた母は、数時間前とは比べものにならないほど、顔色が良くなっていました。

    病院到着後に受けたコロナの検査で陰性が確認されてすぐ、母は病棟へ運ばれ、そのまま入院となりました。

    会えないんですよね。。。

    コロナ禍だから。

    コロナ前のように、病院へ面会に行くことは許されません。

    それがとっても辛い。

    そして、私は体調をくずしました。

    母が土曜日の朝に入院し、日曜→月曜→火曜と、少しずつ私の体調は悪化。

    昨夜から今朝にかけては、風邪の症状オンパレードとなり、強制的にゆっくり休みました。

    心配だったので、コロナ検査も受けましたが、結果は「陰性」。

    母に会えずさみしいものの、病院で24時間の看護を受けているので、安心ではあります。

    きっと、その安心感から、これまでの疲れがどっと出たのですよね。

    昨夜から今日のお昼にかけて、ゆっくり休んだら、すっかり良くなりました。

    病院との連絡などもありますし、

    今ここで私が体調くずしている場合ではないので、

    早く休んで、早く回復できて、ほんとに良かった。

    入院後の月曜日、母に送った写真です。

    この翌日、新潟も梅雨明けしました。

    今年はびっくりするほど梅雨が短く、早い夏の始まりですね。

    母のことを思い、「夏が早く来てくれて良かった。」と心の底から思いました。

    返事を書く

    あなたのコメントを入力してください。
    ここにあなたの名前を入力してください

    CAPTCHA


    最新記事

    タグ一覧