久しぶりに、お気に入りの本に出会いました。アフロヘアーが印象的な元朝日新聞記者、稲垣えみ子さんの『人生はどこでもドア』です。

どんな本かについて、アマゾンからの引用です↓

あえてなんの準備もせずに、もちろんフランス語なんてできない状態で、フランスのリヨンに行って14日間滞在したという旅行記。旅の目的は、「現地でしっかりした、日本と変わらぬ生活をすること」(引用元)

筆者は、ホテルではなくエアビー(民泊サイト)で探したアパートの一室に滞在し、観光客というより現地で暮らすように過ごし、その旅行前や現地滞在中の試行錯誤の様子などを綴っています。

読みながら「そうそう、そうなの!」と共感したり、「そっかー、今まで私が感じていたのは、そういうことなのね」と納得したり。最初から最後までとにかく楽しめました。

読書感想文は苦手なので、いつも通り、本の中で特に心に引っかかった箇所をいくつかご紹介します。

旅行前の現地事前調査は、ほどほどに

何をやっても事前の情報のほうが現実を上回っていて、一生懸命回れば回るほどそのギャップに疲れてくるのである。

この一文を読んで「あー、そうかそういうことだったのか!」と妙に納得しました。「これまで事前に情報を集めすぎだったんだ、私も」と。

旅行の予定が立つと、その目的地が初めての場所であればあるほど、ついついガイドブックを開いて色々調べてしまいます。

もちろん現地の基本情報や安全情報、宗教・文化・歴史など、訪れる前に知っておくべきことはあり、ガイドブックはそういった情報がきれいにまとめられていて便利なのですが、ここで言うのは文化施設やレストラン、お店屋さんなどの情報です。

楽しみのあまり、ついつい色んな情報に触れすぎてしまい「ここも行ってみたい、あそこも!」と思ってしまいます。

ところが実際には、リストアップしたお店とお店の距離がものすごく離れていたり、現地で他にしたいことが見つかったりして、目をつけていた場所のほとんどに足をのばせなかったりします。

この本を読み、今回の旅では事前調査はほどほどに済ませました。

旅先で趣味嗜好が急に変わる、、訳ではない

私は例えばパリへ行ったら、ルーブルとかオルセーとか当然のようにせっせと行っていたわけですが、そもそも日本では美術館などほとんど行くこともない、いや行こうともしていない。そんな人間がたまたまパリへ来たからと突然そんな場所にノコノコ出かけたところで、面白くなくて当然じゃないの?つまり私は本当に心からルーブルに行きたかったっていうと実はそんなことなくて、ただパリに行ったら有名なルーブルに行けとガイドブックに書いてあったから行っただけなんだよね。

「そうですよね。私もそうでした。」と思いながら読みました。

本書で、美術館はあくまで例として挙げられていますが、私の場合、例えばロンドンの自然史博物館。「有名な博物館だし、とりあえず恐竜の化石は見ておこうか」と出かけましたが、そもそも興味の無い分野なので楽しめず。ファッションや装飾品などを展示するv&A博物館は何度訪れても飽きることがないのですが。

旅に出たからといって、日々興味を持っていないことに急に興味が持てるわけじゃないんだよね。当たり前だけど。

本当にその通りですよね。

「簡単なことが難しい」

簡単なことが難しい。それが旅なんだと思う。日本にいれば無意識に何気なくやっていることが、国境を越えればすべて「何気なく」はできない。うまくいかないことばかりだ。ジタバタするうちに自分の根っこみたいなものが見えてくる。

この部分には、とてもとても共感し「うん、うん」と深く頷きながら読みました。

旅行と言うより、31歳で単身乗り込んだ留学先の台湾で、同じ思いを持ちました。

台湾に住み始めたばかりの頃は、バスに「何気なく」なんて乗れない。どうやって乗るのか調べたり、ちゃんと事前準備が必要。最初は(なんとなく怖くて)タクシーに乗るのに勇気がいったり、銀行のATMを使うのにも一苦労。

日本では何も考えずに「何気なく」できていたことが、ちゃんと準備したり、人の手を借りないと何もできなくなり、一気に就学前の子どもに戻ったような気分でした。

たくさんのことが、自分ひとりではできなくなってしまった現実に、大きくへこみました。でも試行錯誤しながらも日々を過ごしていくうちに、見えてくるものがあるんですよね。

そんな留学時代を思い出しました。


楽天ブックス 人生はどこでもドア リヨンの14日間 [ 稲垣 えみ子 ]

旅が好きな人はもちろん、外国での生活に興味がある人、フランスが好きな人、民泊のことが知りたい人などなど、読む人によって色々に楽しめるであろう、オススメの一冊です。

2 コメント

  1. 私自身は海外に行くって事が出来る環境じゃないけれど娘が色々な土地に行くたびに
    その土地土地で色々な考え方そして国民性
    みたいなものがあるんだなぁって強く思います。
    アメリカなどは地下鉄で音楽聴きながら
    身体を大きく揺らしてたりして
    観てる側が笑いを堪えるのに必死だったようですが周りがどう思っているかなんて全然お構いなし。やっぱり日本ではちょっと考えられないですよね?今年の5月に姉妹でフランス行った時はフランス人はやたら喋りまくるらしい。
    内の姉妹も大阪人だし二人ともかしましい方だと思うけどとてもかなわなかったって言ってました。😅
    フランスは写真もありとあらゆるところがお洒落でしたね。
    アメリカでエアコンの温度設定がアジア人とちょっと違って留学してる時は温度設定の喧嘩してたとも言ってたな。熱出して娘が寝込んでてもよこ
    でダンス踊りまくってたり!
    それは私には関係ないでしょ?ってのが
    相手の彼女の言い分らしい。
    うーん、これも日本人はあまりしないかな?多分。本当に色々考え方ありますね。

    • アメリカ人 笑。ゴーイングマイウェイですね。

      世界にはいろんな人がいて、楽しいですよね。わたしも「日本では考えられない」ような異文化に触れる度に、少しづつ自分の世界が広がって視野や考え方が大らかになってきている気がします。

      姉妹でフランス旅行素敵ですね!

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