イギリスに戻ってきてから編み始めた、カシミヤセーターが完成しました。
浮気しながら(注)編んでいた割には、1ヶ月足らずで編み終えることができ、次の冬まで待たずとも、この冬にも着られそうです。
(注)「浮気しながら」とは・・・特にメリヤス編みが続く大物(ウェア)など、飽きるので、途中ほかの編み物をして気分転換しながら編むこと

使用した糸は、既製品のカシミヤセーターをほどいたものです。
母のセーターで、セーターをほどいている上の写真は、母が亡くなるちょうど1ヶ月前。
あの頃、なんとなく何かを編み始める気分にもなれず、でも糸には触っていたくて「いつかこの糸で何かを編もう」と思いながら、ほどいていました。
細い糸なので、ほどくのは楽ではありませんでしたが、そうやって集中して無心になれる時間がありがたかったのを覚えています。

数年前、母に頼まれて直した虫食い穴の修復跡が。
すっかり忘れていましたが、自分が以前やった手作業の跡を目にして、なんだか嬉しい。

トップダウンで編むセーター。
上の写真は、別鎖の作り目で襟元から編み始め、両袖と身頃のゴム編み手前まで編み終えたところ。
編みながら試着し、袖や身ごろの長さを確認しながら編めるのが、トップダウンの良さですよね。

一度完成したものの、試着してみたら身ごろのもたつきが気になったので、身頃の胸下あたりまで解いて編み直すことに。

一度ほどいた胸下からは、編み地をメリヤスから1目ゴム編みに変更し、裾に向かって3段階で編み針のサイズを下げながら編みました。
さらに全体のバランスを見て、袖口と襟元も、2目ゴム編みから1目ゴム編みに編み直しました。

編み上がったばかり、洗濯仕上げ前の編み地は、まだデコボコしています。(これはこれで好きですが)

柔軟剤を加えたお湯で洗濯し、乾かしたら、さすがカシミヤ100%。フワフワです。

完成したセーターをほどく前には「これはこれでいっか。完成としちゃおうかな。」と一瞬迷いましたが、ほどいて編み直してよかった。
胸下をゴム編みに切り替えたことで、すっきりと着られるセーターになりました。

薄手のセーターなので、秋口から春先まで着られそうです。