日本ヴォーグ学園『棒針編み講師認定講座・入門科』の最終課題であるベストでは、捨て編みをしたかぶせはぎ肩のはぎを行いました。

>> ヴォーグ 棒針編み通信講座(入門科)⑤ – 講師からのコメント

肩をはぐ方法としては、テキストを見る限り①かぎ針で行うかぶせはぎ、②棒針で行うかぶせはぎ、③捨て編みをしたかぶせはぎの3つの方法があります。
(方法としては引き抜きはぎもありますが、今回はより伸縮性のある仕上がりになるかぶせはぎについてです)

これらの3つの方法から、どういった基準で「かぶせはぎの方法」を選べば良いのかわからなかったので、最終課題を提出した際に質問をしました。その質問内容を講師の方の回答と共にご紹介します。



捨て編みの有無で、仕上がりに違いはでるか?

質問① 捨て編みがついた状態で行うはぎ方と、捨て編み無しの状態で行うはぎ方では、仕上がりなどに違いはでますか?


講師回答: 「捨て編みをすることで、最後の段の編み目が伸びて大きくなったり、不揃いにならずに安定した編み目になります。安定した編み目にするために、捨て編みを5〜6段ほど編んでいます。目と目が突き合わせの状態ではぐので、はぎ代で目が崩れず模様同士もぴったり合い、はぎ代も薄く仕上がります。

とても分かりやすい回答をいただきました。捨て編みで肩のかぶせはぎをすると「安定した編み目」の「薄いはぎ代」に仕上げることができるのですね。



ちなみに、今回行った「捨て編みをした肩のかぶせはぎ」とは、写真のように、肩を編み終わったあとに、別糸でメリヤス編みを5段ほど編むことです(本体が模様編みであっても、捨て編みはメリヤスで編みます)。

別糸で編んだメリヤス編みは伏せ止めをして糸を切っておきます。また捨て編みには、本体に使っている糸と同じ太さの同系色の糸を使用します(同系色の糸を使うべき理由)。



質問②(捨て編み無しの)かぶせはぎを かぎ針 or 棒針で行うかは、単純にやりやすい方で選べば良い?

講師回答: 「かぶせた目を伏せ止めにするとき、編み目がきつくなる傾向にあるため、棒針またはかぎ針どちらを使われても、伏せ止めの目がきつくなると、はぎ代がひきつれてしまうので注意が必要です。」

なるほど。。。確かに、かぶせはぎかどうかに関わらず、伏せ止めにする時には毎回、糸の引き加減というか、編み目の加減に気を遣います。無意識に伏せ止めをすると、先生のおっしゃる通り、どうしても編み目がきつくなってしまいがちです。かといって、ゆるくしすぎると伏せ止め部分が波打ってフリルっぽくなってしまい、やり直しをするはめになったり(スチームアイロンで多少の調整は効きますが)。

(捨て編み無しの)かぶせはぎをする時は、かぎ針にしろ棒針にしろ、編み目の加減に気をつけるべきなのですね。



結論:肩のかぶせはぎを「捨て編み有り」で行う3つのメリット

メリット① 見た目(仕上がり)

はぎ代が引きつりやすい「捨て編み無しのかぶせはぎ」に対し、「捨て編みをしたかぶせはぎ」は、「安定した編み目」の「薄いはぎ代」に仕上げることができる。

メリット② 目を落とさずに「はぐ」ことができる

仕上がりの良さ以外にも、はいでいる最中に(棒針から)目を落としてしまうことを回避できます。

メリット③ やり直しが簡単

目数が合わなかったり、編み目が気にいらなかった時のやり直しが簡単にできます。

メリット②と③について、言葉だけでは説明しずらいので、サンプルの編み地でご説明します。



特に編み物初心者に嬉しい「捨て編み有り」の技術的なメリット

通常のかぶせはぎは、目を落とす危険とやり直しが大変


目を落としてしまう」とは、例えば写真のように、向こう側の目を手前の目に引き出す時に、目が針から外れてしまい、そのまま次の目に進んでしまうことです。

>> かぶせはぎの方法(棒針・肩はぎ・伸縮性あり)

今はもう目を落とすことはありませんが、まだ棒針編みを始めたばかりの頃は、右端から始めて左端まで終わったと思ったら、前後編み地の目数が合わず、良く良く見てみたら目が落ちていた。。。なんてことがありました。

さらに大変なのは、やり直し。

通常のかぶせはぎ のやり直し


捨て編み無しのかぶせはぎで、やり直しをする場合、色々な方法があると思いますが、恐らく1番速い方法は、前後の針を抜いて、向こう側の1段(写真では水色)をほどいてしまいます。


ここは気持ち良くほどけてくれます。ほどいた状態では、向こう側の編み地(水色)は1段少ない状態になっています。


ほどけたら、目の向きに注意しながら2枚の編み地に針を戻します。そして、向こう側の編み地だけ1段編んで元に戻し、またイチからかぶせはぎを行います。

あ〜、めんどう。



捨て編みをしたかぶせはぎは、目を落とすことなく、その後の確認も簡単


では、捨て編みをしたかぶせはぎの場合はどうでしょう?

まずは、捨て編みの方法を簡単に説明


2枚の編み地を中表に合わせ、


手前の端目に針を入れ、


そのまま向こう側の編み目に針を入れます。


向こう側の目を 手前の目に通して引き出します。


左端まで同じことを繰り返し、向こう側の目だけが針に残っている状態になります。



(この後は、通常のかぶせはぎと同様に、伏せ目をして終わらせます。)


編み地をひっくり返し、捨て編みを引っ張れば、目数確認も簡単です。

捨て編みがあるおかげで、落ちついて目の操作を行うことができ、先生のおっしゃる通り「安定した編み目」が生まれます。

捨て編み有りのかぶせはぎ のやり直し


この状態からやり直しをしたい場合は、


針を抜き、


2枚の編み地を引きはがすだけです。通常のかぶせはぎをやり直す時と比べると、まるで天国と地獄です。

このように、捨て編みをつけたかぶせはぎは、落ちついて目の操作を行うことができ、かつきれいに仕上がるという、便利な方法です。是非試してみてください。

2 コメント

  1. 捨て編み。私もこの技法がなぜ必要なのか??って思っていました。
    でもこうまさんの説明で初心者ほど使ったほうが良い技法なんですね。
    しかも凄く丁寧な画像まで!!!
    感激しております。とても手間が掛かると聞きました。
    こんな風にアップするのは。私はスマホも持っていなんで
    この事も尊敬しちゃいますよ。
    早く通信講座初めてみたいけどまだまだ我慢我慢の子です。
    今やり始めてもちょっともったいないだけのきがするから。
    こうまさんの画像見てたらほんとテンション上がりっぱなしです。

    • pianomamaさんも同じ疑問を持っていらしたんですね!
      「同じように思っている人はいるかもしれない」と思いこの記事を書いたので、お役に立てて嬉しいです。

      最初サンプル画像無し、文章だけで記事を作り始めたのですが「自分が読者だったらわかりにくいだろうな」と、サンプルの編み地を作り撮影してみました。
      少々手間でしたが、そんな風に言って頂けてまたまた嬉しいです。

      いつも訪問&コメントありがとうございます。

返事を書く

コメントを記入してください!
お名前を入力してください。