ファスト・ファッションの裏側を学ぶ

ファスト・ファッションの流行などにより、加速する服の低価格化。自分を含め、消費者は手軽に新しい服を手に入れることができるようになりましたが、その一方で苦しんでいる人たちがいるという事実をこれから紹介する映画『ザ・トゥルー・コスト』と本『おしゃれなエコが世界を救う』を読むまで知りませんでした。



映画『ザ・トゥルー・コスト』


そんな、服に関するファッション業界の闇を描いたドキュメンタリー映画『ザ・トゥルーコスト』を観た後には、少なからぬショックを受けました。

工場による環境汚染とか、流行のサイクルが早くなり服の廃棄量が増えていることなどはなんとなく知っていましたが、このドキュメンタリーは、もっと深刻なことが実際に起きていることを教えてくれました。

以下は、アンドリュー・モーガン監督の言葉です。

アメリカで生まれ育った私は、自分の衣服がどこから来るかを深く考えたことは一度もありませんでした。しかし、ブランドの裏側にいる人々やその現場について学び始めると、そこにあった現実は衝撃的なものでした。ファッションは労働依存度がもっとも高い産業で、世界のもっとも貧しい多数の労働者たちが衣服の生産に従事しており、その多くが女性です。これらの女性の多くが最低限の生活賃金以下の賃金で、危険な労働環境で、基本的な人権さえない状況で働いています。(引用元



本『おしゃれなエコが世界を救う』


映画『ザ・トゥルー・コスト』を観た後に、読んだのが『おしゃれなエコが世界を救う』です。著者はイギリス人のサフィア・ミニーさん。


サフィア・ミニーさんは、日本でフェアトレード事業を立ち上げたアパレルブランド「ピープル・ツリー」の代表をされている女性で、前述の映画でもその活動が紹介されています。

フェアトレード(Fair Trade : 公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。(引用元

あなたは、自分の着る服がどこから来て、誰が作ったものか、考えたことがありますか?
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本書の冒頭で「はじめに」と題して読者に問いかけられた言葉です。そして、次のように続きます。

その服を作った人は、アジアの工場で1日に16時間もミシンを踏み、月に2日しか休みが無いのに、わずか2300円の月給しかもらえないのかもしれません。その服の原料であるコットンを栽培するために大量の農薬が使われて、土や水が汚染されたり、農家の人が身体を壊したりしているかもしれません。
引用元)

有名なファストファッションのお店へ行くと、信じられないような値段でTシャツなどが売られています。これまでも「どうしてこの服はこんなに安く、数百円という値段で販売できるのだろう?」と疑問に思ったことはあります。

その時は「賃金の安い発展途上国で作られているからだろう」と想像し、同時に「発展途上国に仕事がもたらされ、そこで作られた製品が先進国で購入されることにより経済がまわっている。みんなハッピー。」とも考えていました。

しかし映画『トゥルーコスト』や『おしゃれなエコが世界を救う』を読み、その先にある事実を知ることができました。それは、貧困国に工場を建て就業の場を作っても、必ずしもその土地の人たちを幸せにしているわけではない。それどころか、想像を超えるほどの過酷な状況、環境を生み出しているという面があることです。



自分なりの方法で、問題に向き合えばいい

今目の前にある物も、たくさんの手がかかってそこにある

私は自分で縫ったり編んだりした服やバッグ・小物を、自分で身に付けて楽しんでいます。

「自分の手を動かしてものを作る」という行為を楽しんでいるのですが、一枚の布が服になったり、一本の糸がセーターになったりするまでには、たくさんの工程があり、失敗もするし、それなりの経験も必要です。それに、そもそも一枚の布ができあがるまでにも、コットンを栽培するコットン農家の仕事が必要です。

一着の服ができあがるまでには、たくさんの人の手がかかっているんですよね。

子どもの頃、「『米』という字を分解すると『八十八』となり、これはお米が実るまでに八十八回の手間がかかっているから。だからお米は最後の一粒も残さず食べるように。」と家庭や学校で教わりました。同じことですね。

買い物をする時「自分のお金を誰のために使いたいか」と考えてみる

お金を使うことを、投票にたとえる人もいます。自分の1票をどこに投じるのか。ひとりの票は小さな力でも、同じ思いをもった仲間が増えれば、大きな力になります。フェアトレード商品を買うことも、自分のお金を誰のために使いたいかを意思表明する、大切な投票なのではないでしょうか。

著者サミーさんのこの言葉には「いつもこんな心構えをもっていたいな」と思わせられます。

とは言っても、正直ファストファッションも便利

一方で、ファストファッションの商品も気になります。やっぱり手頃な価格で買えると嬉しいし、適度に流行を取り入れてみたい時には便利ですから。

でも、今ではどんな価格で買った服でも「寿命を全うするまで、面倒みよう」と思うようになりました。外出着として着られなくなったら、家着にするし、穴が開けば修理します。サイズを変えたり、服のラインが流行遅れだと思えば、ラインを変えて着たりもします。最後の最後は小さく切って雑巾として使います。

そこまで付き合おうと思うと、いくら安くても、簡単に買うということはなくなるし、買って飽きたらすぐポイッということもなくなります。

“Be the change you want to see.”
世界に変化を求めるなら、まず自分がその変化になりなさい。

サミーさんの好きなガンジーの言葉だそうです。

不公正や不条理に腹を立てたり、あきらめたりしているだけでは、世界は変わりません。まずは自分が変化のために一歩を踏み出してみること。そこからすべてが始まるのです。






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