ファストファッションの流行などにより、加速する服の低価格化。私たち消費者は手軽に新しい服を手に入れることができるようになりましたが、その一方で苦しんでいる人たちがいる。

そんな、服に関するファッション業界の闇を描いたドキュメンタリー映画『トゥルーコスト』を観た後に手に取った本が、『おしゃれなエコが世界を救う』です。

著者はイギリス人のサフィア・ミニーさん。


映画でもその活動が紹介されている、日本でフェアトレード事業を立ち上げたアパレルブランド「ピープル・ツリー」の代表をされている女性です。


“フェアトレード(Fair Trade : 公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。”(引用元)

“あなたは、自分の着る服がどこから来て、誰が作ったものか、考えたことがありますか?”

本書の冒頭で「はじめに」と題して、読者に問いかけられた言葉です。そして、次のように続きます。

“その服を作った人は、アジアの工場で1日に16時間もミシンを踏み、月に2日しか休みが無いのに、わずか2300円の月給しかもらえないのかもしれません。
その服の原料であるコットンを栽培するために大量の農薬が使われて、土や水が汚染されたり、農家の人が身体を壊したりしているかもしれません。” (『おしゃれなエコが世界を救う』より)

有名なファストファッションのお店へ行くと、信じられないような値段でTシャツなどが売られています。これまでも「どうしてこの服はこんなに安く、数百円という値段で販売できるのだろう?」と疑問に思ったことはあります。そして疑問に思った直後に自分が勝手に出した答えは「賃金の安い発展途上国で作られているからだろう」というものでした。そこには「発展途上国に仕事がもたらされ、そこで作られた製品が先進国で購入されることにより経済がまわっている。みんなハッピー。」という考えが含まれていました。

でも、映画『トゥルーコスト』や、著書『おしゃれなエコが世界を救う』に出会って、その先にある事実を知ることができました。それは、貧困国に工場を建て就業の場を作っても、必ずしもその土地の人たちを幸せにしているわけではない。それどころか、想像を超えるほどの過酷な状況、環境を生み出しているという面があることです。



わたしは自分で縫ったり編んだりした服やバッグ・小物を、自分で身に付けて楽しんでいます。「自分の手を動かしてものを作る」という行為を楽しんでいるのですが、一枚の布が服になったり、一本の糸がセーターになったりするまでには、たくさんの工程があり、失敗もするし、それなりの経験も必要です。それに、そもそもその一枚の布ができあがるまでにも、コットンを栽培するコットン農家さんの仕事が必要です。

一着の服ができあがるまでには、たくさんの人の手がかかっているんですよね。

子どもの頃、「『米』という字を分解すると『八十八』となり、これはお米が実るまでに八十八回の手間がかかっているから。だからお米は最後の一粒も残さず食べるように。」と家庭や学校で教わりました。同じことですね。

“お金を使うことを、投票にたとえる人もいます。自分の1票をどこに投じるのか。ひとりの票は小さな力でも、同じ思いをもった仲間が増えれば、大きな力になります。
フェアトレード商品を買うことも、自分のお金を誰のために使いたいかを意思表明する、大切な投票なのではないでしょうか。” 
(『おしゃれなエコが世界を救う』より)

著者サミーさんのこの言葉には「いつもこんな心構えをもっていたいな」と思わせられます。

一方で、ファストファッションの商品も気になります。やっぱり手頃な価格で買えると嬉しいし、適度に流行を取り入れてみたい時には便利ですから。

でも、今ではどんな価格で買った服でも「寿命を全うするまで、面倒みよう」と思うようになりました。外出着として着られなくなったら、家着にするし、穴が開けば修理します。サイズを変えたり、服のラインが流行遅れだと思えば、ラインを変えて着たりもします。最後の最後は小さく切って雑巾として使います。

そこまで付き合おうと思うと、いくら安くても、簡単に買うということはなくなるし、買って飽きたらすぐポイッということもなくなります。

“Be the change you want to see.”
世界に変化を求めるなら、まず自分がその変化になりなさい。

サミーさんの好きなガンジーの言葉だそうです。

“不公正や不条理に腹を立てたり、あきらめたりしているだけでは、世界は変わりません。
まずは自分が変化のために一歩を踏み出してみること。そこからすべてが始まるのです。”

(『おしゃれなエコが世界を救う』より)

『おしゃれなエコが世界を救う』、オススメの一冊です。

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