いつも通りの「普通の日」は、「特別な日」

母の手術が無事に終わって、1週間が経ちました。母はまだ入院中ですが、順調に回復しているようです。

母の手術を通して、「普通の日を迎えられること」への感謝や、「自分にとって大切な人との時間」の価値に、あらためて気づかされました。

目次

母の病気がわかってから、手術までの9ヶ月

母にガンが見つかる

9ヶ月前の昨年10月、母にガンが見つかりました。その数週間後に夫が待つイギリスに戻る予定でしたが、その予定をキャンセル。手術が終わるまで、日本で母の闘病をサポートすることを決めました。

>> 予定通りにはいかないけれど、それも楽しんでいきます

ガンができた場所にもよるのでしょうが、今は「先に抗がん剤などの術前治療を行い、腫瘍を小さくしてから手術」という方法が取られることも増えてきているようですね。以前は「まず手術して、取りきれなかったものを手術後の治療で」という方法をよく聞きましたが。

母の場合も「先に治療でガンを小さくしてから手術」という方法でした。10月に病気がわかり、11月から抗がん剤治療の開始、放射線治療に進み、先週の手術で先生曰く「ガンはきれいに取れた」そうです。

8時間を超える大手術の日

今回の手術は、「朝始まって、晩に終わる大手術です」と手術前の説明で言われていた通り、8時間を超える大手術でした。

母は10年以上前にも、別の病気で手術を受けたことがありましたが、その時と大きく違っていたのは、今回はコロナ禍での手術ということ。

前回は手術直前まで母のそばで励ますことができましたが、今回は家族といえど病室に入ることはできません。家族は、手術後に執刀医からくる電話を自宅で待つように言われました。

とても長い1日でした。

特に、予定していた手術時間を2時間ほど超えても、病院からの電話が来ず、それでも待つしかなかったあの1時間は、本当に長く辛いものでした。

できればもう2度と経験したくない。手術が無事終わることを願う気持ちとは反対に、悪い想像が頭の中に浮かんできました。打ち消しても打ち消しても、悪い想像は、しつこく浮かんできました。

自宅で父と2人、電話を待つピンピンに張り詰めた空気をやぶったのは、執刀医からの電話ではなく、母からの電話でした。麻酔から目覚めたばかりの母は「おはよー」と自分の携帯電話でかけてきたのです。

母の声を聞いて、全身の力が一気に抜け、頭もふわ〜っと解放されていくような感覚がありました。

母からの電話の後、10分ほどしてお医者さんからも電話があり、手術についての詳細な説明を受けました。先生からの電話が遅くなったのは、病院側の連絡ミスがあったようで、実際は1時間以上前に手術は終わっていたようです。

「いつも通り」「普通」「当たり前」の価値

手術を終えた母に、伝えたかった言葉

手術を終えた母にまず伝えたかった言葉は「ありがとう」でした。

「無事に戻ってきてくれてありがとう」「治療や手術、がんばって乗り越えてくれてありがとう」です。

いつも通りの朝を迎えられたことに、感謝

手術翌日は、いつも通りに起きてジムに行き、父と朝食を食べました。そんな昨日と同じ「いつも通りの朝」を迎えられたことに、心から感謝しました。

この「いつも通りの日を迎えられていること」への感謝は、1週間経った今もまだ継続しています。でも、そのうち(きっと近いうちに)「いつも通り」は「ただのいつも通り」になり、感謝やその価値なんて、忘れてしまうでしょう。

それこそが、この記事を書いておこうと思った理由なのですが。時おり読み返して「今日という普通の日」の価値を思い出して欲しいなと… もちろん自分自身にです。

あと何回…

以前読んだ本に書かれていたことで、今も時々思い出して考えることがあるのですが、それをご紹介します。

(親と離れて暮らしている人が)1年に1度帰省するとして、あと何回親に会えるのか。例えば父親が70歳だったら、日本人男性の平均寿命で考えれば、あと10回。1年に2回会うとしても、あと20回。

そんなことが書かれていました。(確か本田直之さんの本だったと思います。本のタイトルは忘れてしまいました。)

そんな風に考えたことがなかったので、自分に当てはめて考えた時「あと何回会えるか」というその数字の少なさに、少なからぬショックを受けました。もちろん、人の一生がいつ終わるかなんて分かりませんし、1年に何回会うかと予想してみても現実とは違ってくるでしょう。でも、私はこうやって考えることで、両親と過ごす時間の大切さに、気がつくことができました。

これは親と子に限った話ではなく、当たり前になっている、自分にとっての大切な人との時間全てに当てはまりますよね。

最後に

母の病気は、もちろん無かった方がよかった。

でも、それが無かったら気がつかなかったこと、学べなかったこともたくさんありました。ここに書いたことは、その一部ですが、昨年10月からの9ヶ月間で、本当にたくさんのことを得ました。

「早期発見に努める」というのも、その1つですね。年に1度の検診は、単純に「面倒」だし、「バリウムやだな」とか「何か見つかったら怖いな」とか、行きたくない理由はいくらでも見つかります。でも、やっぱり行かなきゃなって。母が身体を使って教えてくれた、大事な教えだと思っています。

来週バリウム飲むのですが、今から憂鬱です 苦笑。

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日本滞在時は「FUMI in JAPAN」として記事を更新しています。 イギリスと日本の2拠点生活中。編み物など手芸好きです。

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コメント

  1. お母様の手術が無事終わり本当に良かったですね。家族はその前からかなりソワソワとしますしね。わたしの父は病気のデパートと言う位沢山病気をしましたがなんだかんだでそこそこ長生きしてくれました。
    私自身も中学生の時にとある病気になってしまい恐らくは普通に健康な人に比べてたら
    健康で毎日普通に過ごせるかがどんなに大切なのかはわかっているつもりです。
    毎日普通に起きて寝てそして食事してって言う普通ってほんと
    大変な事なんですよね。実は。
    皆んな当たり前のように過ごしているけれど。でも病気をしていた私も少し身体が良くなってくるとその普通のありがたみを忘れてちゃったりします。忘れないと生きてはいけないですけれどね。🤗
    もっと早くお返事書きたかったんですが
    コロナの2回目ワクチンの副反応が
    思った以上にありまして
    職場に通ってそれこそ毎日を過ごすのがいっぱいいっぱいでした。
    お母様の術後もなんだかんだで色々あると思いますが、お母様にとっては娘さんがそばに
    おられるのはとても心強い時思いますので
    お世話してあげて下さいね。
    手芸の趣味が手術の気を紛らすって
    何となくわかります。
    私もまだ自分の病気で大きな病院に通ってるんですがそこの時間潰しにも編み物とかって
    役に立つんよね。☺️

    • pianomamaさん、こんにちは。

      「忘れないと生きてはいけない」、本当におっしゃる通り、確かにそうですね。
      私の中にこの言葉というか考えはなかったので、はっとさせられました。それだけでもこのブログ記事を書いたかいがありました。ありがとうございます。

      2回目の副反応は、けっこう大変だと言いますね。私も2回目の時は覚悟しておかないといけませんね。今はもう大丈夫でしょうか?

      ブログ記事を書いている時、勝手にpianomamaさんと文通をしているような気分になることがあります。pianomamaさんからのコメント、いつもとても嬉しく拝見しています。

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