毎晩つかう枕カバー。身体の中でも比較的ニオイが出やすいと言われる頭皮や襟足などに直接触れるものなので、こまめに洗って清潔を保ちたいですよね。
既製品でも安くて良質なものを探せそうですが、お気に入りの布で自作するのもオススメ。とくに主流サイズと言われている枕サイズ(43×63センチ)より、小さ目または大きな枕を使っている場合、既製の枕カバーでは、色柄などの選択肢が少ない場合があります。
今回ご紹介する枕カバーの作り方は、直線縫いのみで仕上げることができ、ファスナー付けなどの面倒な作業もありません。好きな色や柄、肌触りの良い布を使って、枕カバーを作ってみませんか?
今回私が作るのは70×50センチ用のちょっと大きめ枕カバーですが、お手持ちの枕サイズに合わせたカバーを作れるように作り方をご紹介していきます。
もくじ
枕カバーを作る前に確認すること
さて、まずは枕の大きさを確認しましょう。枕についているタグにサイズが記載されていると思いますので、それをメモしておいてください。
もしもタグがついていなければ、長めの定規やメジャーで枕の「よこ(X)とたて(Y)」の長さを測ってください。それでは早速作っていきましょう。
枕カバーの作り方
1. 生地を用意し、裁断する
上図を参考に、測っておいた「枕のよこ(X)とたて(Y)」を計算式に入れて必要な生地の量を計算し、布を用意します(図は縫い代込みのサイズです)。
*上図訂正箇所(2020年8月14日)
(訂正前)パーツB「X+2cm」→ (訂正後)パーツB「X+3cm」
間違いをご指摘いただいたうまこさん、ありがとうございました。
《 X63 × Y43センチ(標準サイズ)の枕に必要な生地》
パーツA : よこ83 × たて45センチ [計算式 (63+20) × (43+2)]
パーツB : よこ66 × たて45センチ [計算式 (63+3) × (43+2)]
《 X70 × Y50センチ の枕に必要な生地》
パーツA : よこ90 × たて52センチ [計算式 (70+20) × (50+2)]
パーツB : よこ73 × たて52センチ [計算式 (70+3) × (50+2)]
布を裁断しパーツAとBを用意します。
2. 入れ口を縫う
枕の入れ口になる辺を、パーツAとパーツBそれぞれ縫っていきます。
a. 線を引く
入れ口になる辺(上記1の図参照)の布端から、2センチのところにチャコペンで印をつけます。
b. 布端を折り上げる
布端を印をつけた線に合わせて折り上げ、アイロンでおさえます。
c. さらに折り上げる
2-b で折り上げた幅と同じ幅で、もう一度折り上げ、アイロンでおさえます。
d. ステッチをかける
これで1センチの三つ折りができたので、布端から0.8センチくらいのところを直線縫いします。
3. 三辺を縫い合わせる
a. パーツAとBを合わせて置く
図のようにパーツAとBを中表に合わせます。(*中表とは:2枚の布の表側と表側を内側にして合わせること)
b. 3辺を縫う
図のように、パーツA(のBより長い部分・図右側)をパーツBの上に折り重ね、3辺を縫い代1センチで、AとBの2枚一緒に縫います。(図の青い点線部分)
c. 布端の処理をする
3辺にロックミシンまたはジグザグミシンをかけ、布端がほつれてこないように処理をします。(図の赤いジグザグ部分)
裏に返せば、枕カバーのできあがりです。
枕カバーに刺しゅうをする場合
もし刺しゅうを施したい場合は、「『2-d.ステッチをかける』の後、『3.三辺を縫い合わせる』」の前に行ってください。枕カバーを完成させてから装飾することも可能ですが、特に枕の真ん中に刺しゅうをする場合などは、このタイミングで行った方が作業がしやすいです。
枕カバーの中心位置
枕カバー表側(頭が乗る面)の真ん中は、図の★マークの部分です。刺しゅうなどをする場合は、この★マークの中心位置を参考にデザイン配置を決めてください。
*上図訂正箇所(2020年8月14日)
(訂正前)パーツB「X+2cm」→ (訂正後)パーツB「X+3cm」
間違いをご指摘いただいたうまこさん、ありがとうございました。
《 X63 × Y43センチ(標準サイズ)の枕カバー中心位置》
パーツA : よこ33 × たて22.5センチ [計算式 横(63+3)÷2 縦(43+2)÷2]
《 X70 × Y50センチ の枕カバー中心位置》
パーツA : よこ36.5 × たて26センチ [計算式 横(70+3)÷2 縦(50+2)÷2]
【追記 2018年5月27日】
刺しゅう違いの枕カバーを追加で作りました。刺しゅうは、薄い水色の三日月です。あえてあまり目立たない色で刺しゅうした月は、早朝の空に残った三日月をイメージしています。【追記以上】
様々な素材や色柄で作って、ベッドに複数並べるのもオススメです。
Xにもう1cm足さないと縫い代で取られる分横の出来上がりが63cmもしくは70cmにならないような気がするのは気のせいでしょうか。
うまこさん、当ブログにお越しいただきありがとうございます。
おっしゃる通り1cmの縫いしろが足りませんでしたので、記事内で訂正いたしました。
ご指摘ありがとうございました。
先ほどのうまこです。もうひとつ質問がございます。布の地の目が縦方向(短い辺の方)にとってありますが、これが正しい取り方になるのでしょうか。あまり布で適当に作るならどちらでもいいのかもしれませんが、形態の安定性とか丈夫さの点でどちらに取るのが正しいのか合理的な考え方があるのでしたらお教えくださいませ。
うまこさん、コメントありがとうございます。
布目については、次のように考えて図のようにしました。
枕の使い方を考えた時、垂直に頭を載せて使う方法の他に、枕をベッドのヘッドボードなどを使い、少し立てて使う方法があると思います。
前者は主に寝る時、後者は、寝る時であれば頭の上部のみを枕に乗せたい時、または寝る前にベッドの上でテレビをみたり読書をしたりする時に、クッションのようにして使ったりします。
(わたしは後者の使い方をすることがほとんどです。)
後者のように使う場合、枕の短い辺の上から下方向に向かって力がかかります。そこで布地が伸びにくいよう、図のようにしました。
また、既に持っていた市販の枕カバーの布目も参考にしました。
これが正しい方法なのかはわからないのですが、数年経った今でも大きな劣化を見ることなく使えています。
上記のような理由で、自身の備忘録のためにも布目を図に示しましたが、
正直洋裁は独学で学校やお教室でしっかり学んだことはありません(先生に習ったのは小中高の家庭科くらいでしょうか)。
「あまり布で…」とうまこさんがおっしゃる通り、あまり布などで気軽に作る際の参考にしていただければ嬉しいです。